「なぜ、このクラブを始めようと思ったのか」
■20年間、当たり前だと思っていたこと
皆さん、こんにちは。
少しだけ、「なぜ私がRECJを立ち上げようと思ったのか」というお話をさせて下さい。
私がFDに乗り始めて、20年と少しになります。
FDとの20年間、本当に色々なことがありましたが、
何の疑いもなく思っていたことがありました。
それは「この先も、ずっとこの車と一緒にいられる。」ということです。
ここで少し家族の話なのですが
私の父は、亡くなる頃までヨタハチに乗り続けていました。
子どもの頃から、パーツを探したり、仲間と情報交換をしたりする姿を見て育ちました。
だから、古い車を維持することが簡単ではないことは知っていました。
でも、その知識はなぜかFDには当てはめて考えていなかったんです。
FDは、自分の中では、今でも「古い車」という認識を持てていません。
だから、何の疑いもなく、この先も普通にずっと一緒にいられるものだと思っていました。
ところが、少しずつ廃番パーツが増え始めたことを知り、自分の欲しいパーツでも生産が終了しているということが出てきました。
その時、初めて
「あれ……もしかしたら、FDに乗れなくなる日が来るのかもしれない。」と思いました。
「好きなクルマに乗り続けられる」ということは、決して当たり前ではなかった。
それは当然のことなのに、恥ずかしい話ですが、そのことに初めて気付かされました。
でも、その時に思ったことは一つでした。「それでも私は、この車に乗り続けたい。」
その思いは、全く変わりませんでした。
だから、「じゃあ、自分に何ができるんだろう。」
そう考え始めたことが、RECJの始まりでした。
■自分だけじゃない
でも、考えているうちに、もう一つ気付いたことがありました。
それは、こうした思いを持つのは、自分だけではないんじゃないか。
ということです。
きっと、多くのREオーナーの皆さんも、
「壊れたら仕方ない。」ではなく、
「できる限り長く、このクルマに乗り続けたい。」
そう思っているはずだと思いました。
また、この20年ほどでクルマを取り巻く環境も大きく変わりました。
当時は壊れたら次の車を探す、という選択肢もありました。
でも今は、現存車両が減り、一度手放したら、もう手に入らないかもしれないという時代になってきました。
そうした時代の変化もあってか、
大切なクルマをできる限り長く維持したい。
そう考えるオーナーさんは、以前より増えているように感じています。
「好きなクルマに乗り続けたい。」
そんな同じ思いを持つ人たちが集まれば、何かできることがあるかもしれない
そう思うようになりました。
■軽井沢で見つけた答え
ちょうどそんな頃、RCOJのロードスター軽井沢ミーティングへ遊びに行く機会がありました。
そこでクラシックマツダの方のご講演を聞いていた時に、こんなお話をされていました。
あるロードスターオーナーさんから、
「赤内装を復刻してほしい。」という要望があったそうです。
その時のお返事は、
「数が少ないと実現が難しい。赤内装クラブを作ったり、SNSで呼びかけたりして、100人くらいの人達を集めてください。それだけの数があれば、検討の場に上げられる可能性が出てくる」
というものでした。
もちろん、本当に100人という数字が重要だったわけではありません。
でも私は、その言葉を聞いて、
「そうだよな。」と思いました。
パーツの復刻には大変な過程があり、少数の希望ではメーカーとしてはとても対応できない。
そしてメーカーは個人とやり取りすることはできない。
それは当然の事
でも、それならば
同じ思いを持つ人が集まり、組織として成り立つことができれば
メーカーと対話をしたり、検討していただける可能性は生まれるかもしれない。
その時に思いました。
REにも、こういう場所が必要なんじゃないか、と。
一人では難しいことも、同じ思いを持つ仲間が集まれば、
未来を少し変えられるかもしれない。
それなら、自分にもできることがあるかもしれない。そう思いました。
そう思ったことが、RECJという取り組みに繋がっていきました。
■RECJの理念
このクラブは、クルマを見せ合うだけのクラブではありません。
RECJの目的はシンプル。
「好きなクルマに長く乗り続けたい。」基本的な志はそれに尽きます
だから……ノーマル車か。カスタム車か。
それは関係ありません。
サーキットを走る人も。週末だけ乗る人も。完全ノーマルを維持する人も。
みんな、「好きなRE車に長く乗りたい」という想いは同じ。
そして、保安基準を満たして動態維持するために必要な部品は、共通しています。
クルマとの楽しみ方は人それぞれです。
車種も、乗り方も、知識も、経験も関係ありません。
「好きなRE車に乗り続けたい。」
その思いがあれば、それだけで十分です。
誰もが大好きなクルマと思い切り楽しんでいたいと思います。
だから、このクラブには垣根を作りたくありません。
あくまで、このクラブは「好きなクルマに乗り続けたい」人が集まる場所になれたらと思っています。
■目指したいこと
ここまで、「なぜRECJを立ち上げようと思ったのか」をお話ししてきました。
では、このクラブは何を目指していくのか。
それも、とてもシンプルです。
一人ひとりが、好きなRE車に長く乗り続けられること。
そのために、
まずはオーナー同士が気軽に情報交換や相談ができる場所を作りたいと思っています。
そして、組織だからこそできることがあります。
それがメーカーとの対話です。
RECJは、要望だけを伝える団体でも、
メーカーの考えをそのまま受け入れる団体でもありません。
オーナーの思い、
そしてメーカーの思いをそれぞれ受け取って、相互に発信する。
その橋渡しをしながら、
一緒に未来を考えていける場所になれたらと思っています。
そして、イベントでも雑談でも構いません。
困った時に相談できる。
久しぶりでも気軽に戻って来られる。
そんな、細くても長く続くクラブにしていきたいと思っています。
■最後に
今回こうしてお話をする機会をいただいて、改めて自分でも気付いたことがあります。
それは、自分はクラブを作りたかったわけではなかった、ということです。
本当に作りたかったのは、
「好きなクルマに乗り続けられる未来」だったのだと思います。
私は、もともと人前に立つことが得意な人間ではありません。
クラブを立ち上げるなんて、自分でも考えたことはありませんでした。
それでも行動しようと思ったのは、ただ一つ。
FDに、これからも乗り続けたかったからです。
その思いを突き詰めていく中で、
「好きなクルマに乗り続けたい」と願っているのは、自分だけではないことに気付きました。
だから、このクラブを立ち上げました。
昨年のキックオフイベントから一年が経ち、今回から本格始動となります。
始まったばかりで、まだまだ未熟なクラブです。
このクラブがこれからどんな場所に育っていくのか、私にもまだ予測がつきません。
でも、それは皆さんと一緒に作っていくクラブだからこそだと思っています。
「好きなクルマに乗り続けたい。」
その思いを持つ皆さんと一緒に、
好きなクルマに乗り続けられる未来を、少しずつ作っていけたらと思っています。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
RECJ発起人代表 佐伯 亜希英


